PO[価格決定]:かんぽ生命保険(7181)

  • 19年4月4日、かんぽ生命保険(7181)の売出(PO)が発表されました。
  • 19年4月15日、 売出価格が決定されました。

[かんぽ生命保険]の詳細・分析

銘柄データ

銘 柄 / 銘 柄 コ ー ド かんぽ生命保険(7181) 
上 場 先 東証1部 
信 用 貸 借 区 分 貸借(4/5より売り禁) 
業 種  保険業 
事 業 内 容 国内トップクラスの生命保険会社。主力商品は旧簡易保険の流れを汲む小口の保険で、全国の郵便局が窓口となって販売。

POデータ

発 表 日 2019年4月4日 
公募・売出株数 国内売出:91,550,000 株 
海外売出:45,120,900 株 
(OA:13,732,400 株) 
吸収金額(発表日時点) 国内:2500.46億 程度 
海外:1071.62億 程度 
価 格 決 定 日 4月15日~4月17日 → 4月15日 
受 渡 日 4月23日~4月25日 → 4月23日 
PO実施の目的 株式の段階的な処分による上乗せ規制の緩和を含む郵政民営化の着実な推進につながるとともに、株式の市場流動性を高めることで投資家のニーズに応えるため。
引受会社(主幹事) 大和証券(28,838,300株) 
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(28,838,300株) 
JPモルガン証券(5,493,000株) 
みずほ証券(12,359,300株) 
引受会社(幹事)  野村證券(7,323,900株) 
SMBC日興証券(7,323,900株) 
SBI証券(915,500株) 
マネックス証券(457,800株) 

株価・公募価格など

発 表 日 終 値 2,433 円 
仮 条 件 – 2.0 % ~ – 4.0 % 
価 格 決 定 日 終 値 2,474 円 
公 募 価 格 2,375 円 
割 引 率 –4.00 % 

信用データ

信用残/月平均出来高 0.61 倍 
公募数/月平均出来高 370.42 倍 
買い板 24万1千株 程度 
売り板 7万3千株 程度 
一般信用売り取扱 カブドットコム証券→なし 
SBI証券→なし 

出所:日証金、東証発表等のデータを元に作成
※推定空売り数は発表日から実施前日までの貸株残を差し引きしているため、実際の空売り数を反映しているとは限りません。ある程度の目安としてお考え下さい。

各種指標など

業 績 ○19年3月期会社予想(数値は前期比) 
経常収益:3.7%減 経常利益:15.9%減 純利益:6.2%増 
3Q決算時点での進捗度は売上高が77%、利益が82~87%程度。
(3Qは経常利益が減益、進捗率は前期とおおむね同程度。)
自 己 資 本 比 率 2.5 % 
予想PSR(会社予想) 0.19 倍 
予想PER(会社予想) 12.83 倍 
実 績 P B R 0.75 倍 
R O E 5.9 % 
予 想 配 当 72 円 
配 当 利 回 り 3.03 % 
配 当 性 向 38.9 % 
同業他社との比較 PER:やや割高か PBR:やや割安か 

出所:決算短信等のデータを元に作成

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コメント

※下記に記載しているコメント・感想などは、私の主観によるものが多く含まれています。
また、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。
最終的な投資の決定は、投資家ご自身の判断で行われるようお願いいたします。

発表日時点
  • 株主優待:なし
  • コメント
    ○銘柄・POについて
    ・かんぽ生命保険は日本郵政グループの保険会社です。郵政民営化法により親会社の日本郵政が保有株を処分することを求められており、今回の売り出しはその一環となります。
    売り出し規模は国内だけでも3000億超となり、17年の日本郵政以来の巨額売り出しとなります。
    なお、売出と同時に1,000億円を上限とする自社株買いも発表しています。

    ○業績・指標
    ・業績:近年の業績は減益傾向です。契約が貯蓄性保険から保障型保険にシフトしており、保険料収入が目減りしています。今年度は引受基準緩和型の商品も導入する予定ですが、減収を止めるとこまで行くかは微妙ですね。

    ・指標:同業他社と比較してPERはやや割高、PBRはやや割安のようです。
    配当利回りは3%程度に留まっており、日本郵政やゆうちょ銀行に比べるとやや低いですね。

    ○見通し
    ・需給動向:国内売出数は1.12億株、発行株ベースでは21.58%程度と非常に多めです。また、日本郵政が全株式の9割近くを保有しており、浮動株が非常に少ないです。(東証1部銘柄は流通株式比率35%以上を上場要件としていますが、かんぽ生命は特例で対象外となっていました。)
    なお、国策による売出なのと浮動株が少ないことから、速攻で売り禁となりました。需給条件はかなり悪く、公募割れのリスクが高そうです・・・注目度の高いPOなので関心はありますが、現状では見送りの方針に傾いています。

    ・株価動向:昨年10月に2,900円まで上昇した後、その後は2,400~2,700円の間で動いています。直近は2,400円付近が支持線となっており、売出価格がこのラインを下回るようなら多少マシになりそうですが・・・売り禁の状態で自社株買いを実施することから、株価がどう動くが読みづらい状態です。吊り上がってしまうと、さらに分が悪くなりそうですね。

価格決定日時点
  • コメント
    ○株価動向:発表日以降、株価は1.69%上昇。売出価格は年初来安値を下回る水準。
    ○信用状況:売り禁のため、空売りはほとんど入っていません。

    ○見通し:発表後、株価は一時14%近くも上昇してしまいましたが、先週末から急速に下げて結果的には行って来いの状態に。ディスカウントは仮条件下限の4%となり、売り出し価格は年初来安値を下回る水準となりました。ただ、下限で決まったということはかなり人気がなかったものと思われます。
    価格的には手を出してもいい水準なのですが、証券会社が売り出しを捌き切れているか微妙な上、売り禁ということで需給状況の悪化が予想されます。お祈り投資をするにはリスクが高すぎるので、やはり無難に見送りとなりそうです。かんぽ株が欲しい場合でも、受渡日を過ぎてからで十分な気がします。

実施結果

始 値 2,204 円 ( – 171 円 )
高 値 2,313 円 ( – 62 円 )
安 値 2,204 円 ( – 171 円 )
終 値 2,279 円 ( – 96 円 )
寄付出来高 3,282,800 株
寄付出来高/公募数 3.59 %
1日の出来高 2,1778,600 株
  • コメント
    ○前日終値と同値で寄り付き、急速に買い戻されて11時前に2,313円まで上昇。その後は買いが一服し、2,280~2,300円の間で膠着する形となりました。結局2,279円で引けています。

    ○前日までに大幅な公募割れとなっており、今日の寄り前は一時ストップ安気配となる場面も・・・ただ、証券会社もさすがにまずいと思ったのか救済が入ったようです。何とか2,300円台までは持ってきましたが、売り出し価格を戻すまでには至りませんでした。
    振り返ると、安定操作期間が終わった翌日から公募割れの状態となり、日を追うごとに下落・・・寄り付きでは7%、終値ベースでも4%の公募割れとなり、散々なPOとなってしまいました。
    ソフトバンクに続いて知名度の高い大型案件が失敗したのは非常に痛いと思います。今年秋以降に日本郵政の売り出しがある予定ですが、相当ディスカウントを付けないと捌くのは難しい気がしますね。

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コメント

  1. 関口 正伸 より:

    拝読させて頂きました。公募前にこの記事に出会っていたらと思います。
    本当に素晴らしいコメントです。タンス預金では金利もつきませんし、半官半民の
    会社だからと思い公募に参加しました。結果 タンス預金の方が良かったと思います。
    10年持てば 720円 配当が出ると思い塩漬けすることにしました。

    • lowrisk より:

      ご返信遅くなりました。コメントありがとうございます。
      今回のPOは残念な結果でした。
      郵政関連株は今後も追加の売り出しが予定されているので、長期保有すべきかどうかは難しい判断になりそうですね。