立会外分売とは
意味
立会外分売とは、市場が開いていない時間帯(=立会外)に、まとまった量の売り注文を一定数に分けて売却する取引のことをいいます。
目的
- 株式の分布状況の改善や流動性の向上を図るため
(立会外分売の適時開示ではこの記述となることが多いです。単に大株主の売出となる場合なども該当するようです。) - 東証1部への市場変更申請にあたって、不足している条件(株主数や流通株式比率など)を満たすようにするため
- 東証1部から2部へ降格する恐れがある場合、指定された条件(株主数の増加など)をクリアするため
- 留保金課税対象となる特定同族会社の認定を外すため
(持ち株比率が特定の株主に集中している場合、内部留保が通常の法人税より高く課税される事があり、その状態を回避するためだと思われます。)
取引の流れ
- 立会外分売を実施する企業が実施予定内容の適時開示を行います。おおよそ実施予定日の1週間前~1ヶ月前に開示されます。
(開示内容:分売数・実施予定日・申し込み上限・実施目的など) - 分売実施日の前営業日引け後に分売値段・値引率について開示を出します。
※ほとんどのケースで実施予定日の初日に分売が実施されます。 - 立会外分売を取り扱っている証券会社で、実施日の締切時間までに申し込みを行います。
締切時間は証券会社によって異なりますが、朝8時20分前後の会社が多いようです。 - 締切後、申し込んだ証券会社を通じて配分が行われます。分売数より申込数の方が多い場合は、証券会社で抽選が行われます。
メリット
- 立会外分売では一度にまとまった量の売却となるため、実施日の前営業日終値から一定のディスカウントが行われます。値引きの分だけ、お得に株式を購入できます。
銘柄によって値引率はまちまちですが、おおむね1.5%~3%の間で値引きがされるようです。 - 立会外分売で購入する際、取引手数料は掛かりません。(売却時の手数料は通常の取引と同じ扱いになります。)
注意点
- まとまった量の株式が多くの株主へ配分されるため、実施日は売り注文が多く出ます。
買い注文と売り注文のバランスが崩れると株価が大きく下がる事となり、時には分売価格を割ってしまう事もあります。 - 分売数が多ければ当選比率も上がりますが、その分売り注文も多く出る可能性が高くなり、利益を押し下げる要因となります。
逆に分売数が少ない場合は一定の利益が見込めますが、当選比率が下がるので当たりづらくなります。